著者近影6月23日正午、全国盲人福祉施設大会が終わった直後、気になる噂を聞きました。

同日の午後に開催される理事会・評議員会で、「茂木理事長が退任される」というのです。「そんな馬鹿な!」と思う間もなく、それが事実であることが判明し、後任の理事長は、旧知の高橋秀治氏に決まりました。

そこで、私が編集する『点字ジャーナル』で、インタビューを申し込んだところ、「いいよ。いいよ。自分で書くから」と迷惑そうに敬遠された末、「新しい峠道を歩む」という、悲壮感漂う一文を草して下さいました。

高橋氏は、かつて東京ヘレン・ケラー協会に勤務されていたことがあり、編集課長と『点字ジャーナル』編集長を兼任されておられました。私とは15年間ほど重なっており、同氏は大先輩で文字通りご指導・ご鞭撻いただいた間柄です。

悲壮な一文の中で、同氏は「静岡での全国大会終了後、茂木理事長が健康上の理由から辞意を表明され、その後任に私が選ばれてしまった。施設の規模、人材の厚さからいっても私の出る幕ではないが、憂鬱な思いでお受けすることにした」と述べられています。

これを本音だと思った私は、「裏方のような仕事で、人手がいるときは声をかけてください。職員を数人派遣することも可能です」とメールしました。

すると折り返し、「ぜひお願いします。もう少しよく考えて、何をしていただくか決めます。地獄で仏とは、このことです」というメールが届きました。

数日後、「他に手伝いはいらない、あなたひとりでいいから広報委員長を引き受けてくれないかな。これまで私が引き受けてきたが、忙しくてやりきれないんだよ。要するに年2回『日盲社協通信』を編集して、予算内で発行してくれればいいから。いやあ、助かったよ」という電話がありました。

こんな経緯があり、藪から棒ですが、本号から私の編集で『日盲社協通信』をお届けすることになった次第です。

前任者でもある高橋理事長には、一応ご相談はしたものの、時間がなくて泥縄式に執筆依頼をせざるを得ず、関係者にはご心配をおかけしたのではないかと思います。今後の編集・発行に関しては、諸先輩方のお知恵を拝借して、徐々に体制を整えていきたいと考えておりますので、ご支援・ご協力のほどよろしくお願いします。

次号は平成24(2012)年3月を目処に発行する予定です。(福山博)

(著者近影)

◆情報提供のお願い

本誌に対する「こんな記事も掲載して欲しい」、「重大案件を忘れているぞ!」など、情報提供・要望・苦情・意見・感想は、東京ヘレン・ケラー協会点字出版所長福山博(fukuyama@thka.jp)宛、メールでどしどしお送りください。お待ちしております。

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