常務理事・事務局長 岩上義則

著者近影

日盲社協は念願の新社屋を建築して新年度を迎えた。事務局長も石倉満行常務理事から同じく岩上へとバトンタッチされ、職員は中尾忠雄氏から島田昌子氏に引き継がれるなど新体制でスタートした。

言うまでもなく、日盲社協には重大な課題が山積しているのだが、正直言って、当面の課題をクリアするのに汲々としたのが今年度上半期の姿だった。

何に、そんなに振り回されたのかと言えば、上半期前半は、平成22年度の事業報告・決算、6月に開催した第59回日盲社協静岡大会の準備と後処理である。決算報告も従来の経常活動による収支報告以外に、施設整備等による収支報告の作成が大変困難だった。

全国大会に関しては、次期大会主管施設の予定になっていた福島県点字図書館が被災に遭われ辞退せざるを得なかったため、今大会開催間際まで後任施設の決定に奔走した。また、義援金配分方法の決定や全国大会での目録贈呈など、不慣れな事務局長が、いきなり重い事務と向き合ったのが主たるもたつきの原因で、不行き届きな点が多々あったが、今となっては無事になし終えたことだけを良しとして、おぼつかない運びだったことを会員施設には、どうかお許しいただきたい。

上半期後半は、青天霹靂の理事長交代や日盲社協会館新築に伴う各諸手続きや(財)JKA補助事業激変への対応があった。

任期途中の理事長交代については、国や東京都、関連団体への変更手続きが多数生じた。また新築に伴う法人事務所の所在地変更と基本財産の変更手続きには繁忙を極め、膨大な書類整備と役所通いは、事務職員の休日取得さえも困難になるほどの厳しさだった。

ダブルパンチを喰らったのが(財)JKA補助事業の申請方法の変化である。これまでの補助事業は、補助対象部会からの大まかな予算・決算を軸にして、事務局が作文すれば何とかなるものだった。ところが、(財)JKAが国の事業仕分けの煽りをもろに受けたせいもあって、前年度の報告も含めて、来年度からの申請がまさに激変したのである。補助対象となる部会自身が詳細な評価や成果を作成しなければならない。さらに、今後見込まれる研修の効果や成果の波及、事業実施の課題などを現場感覚で報告しなければならなくなった。事務局は、言わばその中継役に徹しなければならないのだが、担当部会ともども、今なお深い戸惑いの渦中にある。

そんな中で下半期に入った次第だが、ぼやいてばかりいても仕方がない。日盲社協の足場を固めながら、何としても発展につながる課題に果敢に取り組まねばならない。各部会・会員施設の一層のご支援・ご協力をお願いすること大である。

(著者近影)

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