名古屋ライトハウス 名古屋盲人情報文化センター 点字出版部 小川真美子

著者近影

昨年12月、京都ライトハウス情報製作センターの田中正和所長が、第61回障害者自立更生等厚生労働大臣表彰を受賞されました。この世界の大先輩である所長の背中を追い続ける弱輩者より、心からの御祝いを申し上げます。

「ショチョー、ホンマにおめでとうございます!」

田中所長は1972年に京都ライトハウスへ入職されました。以来40年間、2010年までは情報製作センター所長、現在は情報ステーション所長そして点字出版部会部会長として、点字出版・情報サービスの二大業界をまさに大股にかける広範囲なご活躍をされています。また、2000年に点字出版部会に設置された“点字サインJIS規格普及促進委員会”委員長として、点字サインに欠かすことのできない専門施設による監修を広める活動も現在に至ります。

これほどの重責、心労もさぞかし・・・と心配になりますが、ご自慢の釣果を魚拓に収める趣味の釣りに加え、ここ数年は可愛いお孫さん達がその疲れを癒されているようです。

受賞の感想をお聞きすると「こういうものなのか・・・」といかにも「らしい」返答が。柔らかな京都弁とともに発せられる言葉はいつもユニークで、周囲が和みます。職場では古参の職員から「社長!」と呼ばれています。ライトハウス創立後に事業移管された京都点字社の名称がしばらく使われた際に付いた呼び名だそうですが、どの「社長」という声にも、所長への愛情が込められているのを感じます。

そして、施設を越えて、若手職員から寄せられる人気や人望もそのお人柄を表しています。一筋縄ではいかない個性的な部下とも、正面から向き合ってくれます。ソフトな雰囲気から発する教育的「お叱り」は想像以上に効き目があります。以前に諭して頂いた「あなたを信頼しています、という態度で人に接すること」という所長のぶれない信念が根底にあるからでしょう。

サピエ図書館の開設と共に、視覚障害者が寄せる一層の期待を担う情報サービス部門ではありますが、「修理・工夫・発明」好きな所長らしい発想が利用者の心をくすぐるサービスにつながるはずです。若手の底力を牽引し続けて下さい。

「バラすなや〜」という声が聞こえそうですが、真夏に快眠できる枕を考案中だとか、こちらも期待しています!


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