笹川吉彦名誉会長旭日小綬章受賞祝賀会

 

笹川吉彦氏の叙勲を寿ぐ

日本盲人会連合副会長 時任基清

 

笹川吉彦会長の叙勲、旭日小綬章受賞、誠におめでとうございます。

日本盲人会連合(日盲連)組織団体全会員、東京都盲人福祉協会(都盲協)全会員と共に、心からのお祝いを申し上げます。

前・日盲連会長、現・都盲協会長笹川吉彦氏は平成24年春の叙勲において旭日小綬章を受けられました。

氏のご功績は今さら申し上げることもないほどながら、視覚障害者をはじめとする障害者福祉運動に長年月、己を無にして尽力されました。

氏は高校生時代事故により失明され、福岡県立福岡盲学校で鍼灸マッサージの技術を身につけ、東京で開業し患者の病苦除去に尽くされました。

その一方、都盲協青年部長・理事・副会長・事務局長・会長として気が遠くなるほどの長期間、「ミスター都盲協」と言われる大活躍をされました。

都盲協が東京ヘレン・ケラー協会内から移転し、世田谷区松原に事務所を置き、その後の大努力により新宿区高田馬場の現会館、さらにはその新館建設を果たされました。

その後日盲連会長にも就任され、高田馬場の老旧社屋から新宿区西早稲田の現会館建設にも成功されました。

また、政府の法人改革に当たり、非常な困難を克服され、都盲協を公益社団法人に位置付けることにも成功されました。

氏は鋭い感性に加えて該博な知識を武器に、会員に向ける日頃の温顔とは打って変わった厳しい態度で、障害者福祉を阻む相手に立ち向かう姿は、気を飲まれるような勇ましさであります。

日盲連会長時代は、対東京都の運動に合わせて、国における諸審議会、委員会等々のメンバーとして、寸秒を惜しむように飛びまわり「あの多忙で、お身体は大丈夫か」と周囲を心配させるほどでありました。

氏は昭和8年12月2日生まれで、今年79歳を迎えられます。同じ歳の私・時任が申すのも妙な話ながら、くれぐれもご健康に注意され、一層の馬力で盲人福祉に尽力して頂くことをお願いし、お祈りしてお祝いの言葉と致します。

 

本間昭雄先生に鳥居賞

故鳥居篤治郎先生遺徳顕彰会(田尻彰代表)は、京都ライトハウスの創設者鳥居篤治郎氏の遺徳をしのび、視覚障害者福祉に貢献した人をたたえる第30回鳥居賞に本間昭雄社会福祉法人聖明福祉協会理事長・日 盲社協名誉会長(83歳・東京都青梅市)を選びました。

伝達式は9月10日、京都市北区の京都ライトハウスで行われ、賞状と記念品・副賞が贈られました。

本間先生については、すでに皆様よくご存じのとおり、20歳で失明して独学で点字を学び、1955年に聖明福祉協会を設立し、視覚障害者宅への家庭訪問事業などを経て、1964年盲養護老人ホームを設立。全国盲老人福祉施設連絡協議会会長、日盲社協理事長などを歴任されています。

とくに、パイオニアとして視覚障害高齢者の福祉向上に尽力され、1984年に点字毎日文化賞、1999年に勲五等瑞宝章を受賞しておられます。

 

塩谷治氏に点字毎日文化賞

毎日新聞社(朝比奈豊社長)は、視覚障害者の文化や教育、福祉の向上に貢献した個人や団体を表彰する第49回点字毎 日文化賞受賞者に、視覚と聴覚の両方に障害がある「盲ろう者」の組織づくりや通訳・介助者の育成などを通じて、その福祉発展に尽力した社会福祉法人全国盲ろう者協会前・事務局長の塩谷治氏(68 歳・東京都板橋区)を選びました。

塩谷氏は現在の筑波大学附属視覚特別支援学校(附属盲)教諭として約30年間、視覚障害教育に尽力されました。

とくに同校在学中に盲ろうとなった福島智氏(現・東京大学教授)の支援態勢整備に奔走され、盲ろう者として全国初となる同氏の大学入学を後押しして、福祉のはざまに置かれていた盲ろう者支援の重要性を強く訴え続けてこられました。

附属盲退職後は、全国盲ろう者協会事務局長に転じて、盲ろう者の実態把握や各地の当事者組織設立への支援、通訳・介助者の育成に取り組みました。その成果が、全都道府県による通訳・介助者の育成・派遣事業の実施などにつながりました。

表彰式は11月7日、毎日新聞東京本社で行われ、本賞(盾)ならびに副賞の中村京太郎賞(置き時計)と日本盲人福祉委員会奨励賞(30万円)が贈られました。

 

浅川智恵子博士に本間一夫文化賞

日本点字図書館(田中徹二理事長)は10月5日、日本点字図書館を設立した本間一夫先生を記念し、視覚障害者の文化の向上に関する分野で優れた業績をあげた個人・団体を顕彰する第9回本間一夫文化賞の受賞者に、日本IBM東京基礎研究所の研究員、浅川智恵子博士(53歳・神奈川県横浜市)を選びました。

14歳で視力を失った浅川さんは1982年追手門学院大学英文科を卒業。1984年日本ライトハウス情報処理学科を修了して、日本IBMに入社。

1997年ウェブに簡単にアクセスできるホームページ読み上げソフト「IBMホームページリーダー」を開発。

2004年、東京大学工学博士。

2009年、米IBMは、同社技術者の最高職位である「IBMフェロー」に浅川博士を任命しました。

 

望月優氏に近藤正秋賞 河合純一氏に片岡好亀賞

名古屋ライトハウスの愛盲報恩会(近藤正臣代表)は、9月16日、名古屋ライトハウスの創設者近藤正秋先生を記念し、視覚障害者で地域団体活動や就労、経済、政治等の分野で活躍し、著しい功績のある人を顕彰する第7回近藤正秋賞に(株)アメディア代表取締役社長の望月優氏(54歳・東京都中野区)、同じく名古屋ライトハウスの創設者片岡好亀先生を記念し、視覚障害者の福祉、教育、文化、スポーツ等の分野で活躍し、視覚障害者で社会的進歩のために著しい功績のある人を顕彰する第7回片 岡好亀賞に河合純一氏(37歳・静岡県浜松市)を選びました。

望月優氏は、視覚障害起業家の先達として、視覚障害者向けシステムの開発普及を目的に(株)アメディアを設立して事業化することにより、視覚障害者の読書環境を飛躍的に進展させました。活字読み上げソフト「ヨメール」にて、1997年度日経優秀製品・サービス賞を受賞。

日盲社協の元・盲人用具部会長としてもお馴染みの方です。

河合純一氏は、筑波大学附属盲学校高等部在学中の17歳の時にバルセロナパラリンピックに出場。以来、今年のロンドンまでパラリンピック6大会に連続出場し、金メダル5個、銀メダル10個、銅メダル6個を獲得して大活躍しました。

 

塙賞貢献賞に東京ヘレン・ケラー協会

埼玉県は11月9日、第6回塙保己一賞貢献賞に東京へレン・ケラー協会を選んだと発表しました。受賞理由は、@多くの鍼灸マッサージ師を養成した。A点字図書館や点字出版事業で視覚障害者の社会参加に貢献。B視覚障害音楽家の登竜門「へレン・ケラー記念音楽コンクール」の長年にわたる運営。Cネパールにおける視覚障害児童・生徒への支援等が評価されました。

表彰式は12月15日(土)、本庄市児玉文化会館セルディで行われます。

 

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