東京ヘレン・ケラー協会点字図書館 堀江 達朗

KEIRIN

本事業は、競輪の補助
を受けて実施しました

昨年11月28日(水)〜11月30日(金)、東京・早稲田の戸山サンライズにおいて、情報サービス部会は、平成24年度第31回音訳指導技術講習会(第6回認定者対象講習会)を参加者115名で実施した。

実際の講習内容は、以下の通りである。

1日目の講義1「視覚障害者福祉概論」は、弱視者に焦点を当て、弱視の種類とその見え方・見えにくさについて学んだ。また、ロービジョン体験グッズにより、視野狭窄や白内障などの見え方を体験した。

講義2「録音技術」は、録音図書製作に使われる録音機器やソフトに関する疑問等について、説明・解説を行った。

講義3「指導技術論」は、サピエ図書館に寄せられた利用者の意見に基づいて行われる審査と、その結果削除されたコンテンツについて解説した。

音訳指導技術講習会の様子

2日目の講義4「処理技術」は、3つの図の「処理」について1グループ8人の15グループに別れて、課題1問に対して約30分のグループディスカッションを行い、その後グループごとに結果を発表し、担当委員がコメントして、課題に対する処理に関する留意点・注意点を解説した。

講義5「音声表現技術T」は、委員会で事前に用意をした5種類の「読み」の音声データをサンプルに、グループディスカッ ションを行い、その「読み」に対する問題点の指摘と解決策について話し合った。

講義6「音声表現技術U」は、発声・発音について、人体のメカニズムから説き起こし、声の出し方を説明し、聞き取りにくい声をどうすれば聴きやすい声にできるか解説し、腹式呼吸を体験。

3日目の講義7「デイジー編集技術」は、『音訳テキスト(デイジー編集入門編)』の内容と使い方について学習した。

講義8「音声表現技術V」は、合成音声による読書の現状を紹介し、その問題点と課題を解説し、肉声による録音図書製作の重要性も説明した。

録音図書の標準化が必要とされる中、今回も全国から音訳の指導者たちが当講習会に参加した。最新の情報を提供するとともに、録音図書製作の現場で必要とされる基本的な事項の指導法についての講義を行った。本講習会の後に行ったアンケート調査によれば「期待した成果を得られた」は84%で、おおむね受講者が期待する成果が得られたものと思われる。

 

日盲社協通信66号目次ページへ戻る