第16回音訳指導員認定試験問題 試験日:令和5年1月20日(金) 注意事項 1.開始の合図があるまで、この問題用紙を開かないでください。 2.試験開始および終了は、ホスト画面の時計を基準とします。 3.解答には、黒鉛筆またはシャープペンシルを使用してください。 4.解答は、問題の指示通り、全て解答用紙に記入してください。 5.問題に関する質問にはお答えできません。 6.試験終了後は監督員の指示に従い、解答用紙を返信用封筒に入れ、封をし、できるだけ速やかに投函してください。指示どおり提出されない場合は採点できません。 1 以下の問いについて〇か×で答えよ。 1.目は見えるものの、手に本をもって読むのが難しい人に視覚障害者用に作成した録音図書を貸し出すことはできない。 2.セクションは目次の通りに分けなければならない。 3.読みのスピードは必ず一定に保つよう指導する。 4.漢字の読み方が何通りもある場合、辞書にあればどの読みで読んでも問題ない。 5.原本に誤植があった場合は、原則として訂正して読む。 6.句読点があれば必ず間を取るのではなく、意味のまとまりを考えて読む必要がある。 7.正確な情報を伝えるため、読めない言葉は原則として著作家や出版社へ問い合わせる。 8.会話のある文章で、人物の違いがはっきりと伝わらない場合は声色を使うよう指導する。 9.「第T章〜(1)〜」と表記されている場合は、必ず「第 ローマ数字1 章 〜 カッコ1 〜」と読む。 10.全体的に音量が一定であっても、録音レベルが低い時は、校正前に施設・団体の職員に相談する。 11.録音図書をデイジー編集する際、目次は原則として階層化、グループ化を行う。 12.スペルを読む場合も発音する場合も、一般書では流暢な読みよりもアルファベットが意識できるような、聞いてわかりやすい発音で読むことが求められる。 13.録音レベルが-6dB〜-8dBであっても、音量・音質は聴いて確認する必要がある。 14.写真の説明を行う際は、利用者の「目の代わり」となるよう、本の内容にかかわらず細部に至るまで目に見えるもの全てを説明する。 15.語句の読みは日々変化するため、音訳前の調査は必須だが、どのような読みが一般的か、普段からニュースなどで情報収集しておく。 16.読みの分からない語句があった場合、一つの辞書で調べがつかなければ音訳者が読み方を決める。 17.日本で点字が制定されたのは明治時代だが、日本で最初に録音資料が製作されたのは昭和に入ってからである。 18.利用者の立場にたち、耳で聞いただけでわかるか判断するため音声だけを聞き返すことも必要である。 19.処理技術には知識よりも経験が必要であることから、音訳者養成講習会では音訳初心者の受講生であっても難解な例文から練習を始めるのが良い。 20.図の説明について内容に即した適切な箇所で読まれていないが、説明の内容が適切であれば校正箇所として指摘しない。 2 以下の問いについて記号で答えよ。 21.下記の語句の中で下線部分が鼻濁音にならないものを選べ。  ア.ウグイス  イ.キング  ウ.イギリス  エ.ガンガン 22.下記の語句の中で下線部分が無声化しないものを選べ。  ア.チカラ  イ.チッソ  ウ.ヒトリ  エ.キップ 23.録音図書の記録媒体について正しいものを1つ選べ。  ア.CDは磁気に弱いため、磁気を避けて保存するのが良い。  イ.SDカードは長期保存に適している。  ウ.USBは主にデータのやり取りなどで使用する。  エ.CFカードは利用者が扱うことができないので貸出には使用できない。 24.音訳する際の体調管理として間違っているものを1つ選べ。  ア.読みの調子が安定しているときは、出来る限り長時間続けて読む。  イ.自律神経が上手く働かないため、起床から1〜2時間は読まない。  ウ.発音が不明瞭になるため、過労や睡眠不足のときは読まない。  エ.声を出し続けると喉が渇くため、適度な水分補給をする。 25.図・表・グラフの読み方、説明の方法としてア〜エの中から正しいものをすべて選べ。  ア.説明文を作成し見直しを行い、簡潔でわかりやすい説明を心がける。  イ.数値が表になっているものは、項目数に限らず、項目を繰り返し読むことが望ましい。  ウ.聞いてわかりやすくするため、確定的でないものも断定した表現で説明する。  エ.折れ線グラフや帯グラフは、一つひとつ数値を細かく読んでいくよりも、全体の傾向やグラフの特徴を説明する方がよい場合もある。 3 以下の文章の(  )に該当する語句を答えよ。 26.1825年にフランスの(     )によって点字が考案され、日本では1890年に石川倉次翻案の点字が制定された。 27.公共図書館では、読みの調査や、辞書・参考書の紹介を行うサービスがある。(     )サービスという。 28.著作権法第(     )条によって「視覚障害者等のための複製等」が定められている。 29.視覚障害者が歩行に使う道具「盲人安全つえ」は一般的には(     )と呼ばれている。 30.デイジー図書のデータはPCMを圧縮した(  @  )形式で長時間の収録が可能である。特徴として、章や節、小見出しごとの頭出しや検索ができる、移動したいページにジャンプできる、(  A  )を設定して図表や写真の読み飛ばしができる点が挙げられる。 最小の音の単位は(  B  )で、目次の項目とそのページ数をひとつにまとめるなどの決まりがある。この(  B  )が集まったものを(  C  )といい、階層(レベル)を設定して図書と同じ構成にすることができる。 4 以下の問いに答えよ。 31.次の文章の下線部の語句について、正しいアクセント記号を記入せよ。 「五日(いつか)、私は彼と美術館に行きたいと思っている。」 32.デイジー資料の利点を2つ答えよ。 33.調査においての心構えを3つ答えよ。 34.以下の図の説明について、不適切な点を2点述べよ。 図は、山形県天童市の飾り駒「左馬」である。 「うま」を逆さにすると「まう」と読める。おめでたい席で踊る「舞い」を連想させることから縁起物とされ、贈り物やお土産に人気である。             図 飾り駒の一種「左馬」 〔掲載している図の説明は解答になるため省略します。〕 図 飾り駒の一種「左馬」 図の説明 将棋駒をかたどった五角形の中に、ウマが逆さに表記されています。 図、終わり。 35.以下のグラフの説明について、不適切な点を2点述べよ。 グラフ 地域の文化芸術資源の存在が地域への愛着や誇りにつながると思うか 〔掲載しているグラフの説明は解答になるため省略します。〕 グラフの説明 問いについて5つの答えの割合が5色で円グラフに示されている。 どちらかといえばそう思う 48.0% そう思う 31.6% わからない 10.0% どちらかといえばそう思わない 7.0% そう思わない 3.5% グラフ、終わり。 36.読みの調査において、本のタイトルを調べたいとき、調べ方を具体的にひとつ述べよ。 37.略ルビが付けられた語句が初めてでてきた場合の処理の方法を3つ答えよ。 38.校正表の書き方を指導する際に、伝えるべきことを3つ答えよ。 39.同音異義語で語句の説明が必要な場合を2つ述べよ。 40.音訳者から口中音が常時入ると相談を受けた。指導者としてどのようなアドバイスをするか、音声表現技術・録音技術の観点からそれぞれひとつ述べよ。 41.音訳者養成講習会の時間が余った際、指導者としてどのようにその時間を活用するか簡潔に述べよ。 42.音訳者養成講習会には、視覚障害者理解に関する内容を取り入れるのが望ましい。それはなぜか、簡潔に述べよ。 43.望ましい指導者の要件とは何か、下記の言葉から2つ以上を使用し、120文字以上150字以内で論述せよ。 「視覚障害者、考えるボランティア、情報提供、聞いてわかる」