社会福祉法人日本盲人会連合情報部長 大橋由昌

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社会福祉法人日本盲人会連合(略称、日盲連)は、視覚障害者の社会への完全参加と平等の実現に向けて、1948年(昭和23年)に全国都道府県・指定都市の視覚障害者団体の連合体として結成されました。以来、一貫して視覚障害者自らが主体的・組織的に運動を展開し、加盟団体に対する連絡および助成を行うとともに、国や地方自治体などへ視覚障害者の福祉向上を求める活動を展開してきました。全国都道府県・指定都市における61団体、会員5万人を擁する視覚障害者自身によるわが国最大の組織であり、毎年、その年の運動方針を決議する全国盲人福祉大会を開催するほか、課題ごとに全国盲青年・盲女性研修大会、全国盲人音楽家福祉大会を実施しています。文化活動では、全国盲人文芸大会などを毎年開催。その他、スポーツの普及および振興にも取組み、グランドソフトボール(盲人野球)などの大会も主催しています。

こうした運動団体の性格を持つ一方、社会福祉法人としての点字図書館、点字出版所、録音製作所、そして用具購買所などを運営しています。点字図書館は登録利用者数4千人で、集書方針としてあはき業者向けの蔵書製作に力を注いでいるところです。点字出版所は、厚生労働省の委託で『ワールドナウ』や『点字「厚生」』に代表される定期刊行物などを制作。録音製作所は、自治体の『広報』ディジー版の作成をはじめ、インターネットの『声のひろば』や音声版『日盲連アワー』などの定期刊行物を制作・提供しています。

また、本会の会長は、全盲の弁護士として知られる竹下義樹です。わが国の障害分野の近未来のあり方を検討する「障害者政策委員会」の委員のひとりであることは、ここに記すまでもないでしょう。

この4月より新会長の下、発進したばかりの本会の新たな動きの一環として、情報部が平成24年7月1日付で、日盲社協(情報サービス部会)に再加入した次第です。

指定管理者制度の固定化や福祉予算の抑制、さらには東日本大震災の発生など、福祉環境は厳しさを増しています。今後、本会組織のより一層の活性化を図るとともに、皆様方のご理解を賜り、盲人福祉の向上のために手を携えていければよいと願っています。崇徳院の歌ではありませんが、両会とも故岩橋武夫氏が初代会長でありますので、「われても末に、あはむとぞ思ふ」ということになるでしょうか。

 

日本盲人福祉センター情報部
〒169-8664 東京都新宿区西早稲田2-18-2
TEL:03-3200-0011(代)
FAX:03-3200-7755

 

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