常務理事・事務局長 岩上 義則

著者近影

日盲社協が還暦を迎える年になり、それにふさわしい行事を計画していることは、昨年の本誌11月号に掲載したとおりであり、準備が順調に進んでいる。それはそれとして、還暦後の日盲社協第2の人生をどのような生き方にするのか、今回は、そのことを会員全体に訴えて、記念大会における全体会の持ち方なども、これに沿ったものになるよう起案中だ。そして、起案をさらに具体化するために、活動への期待や疑問、今後目指すべき事業などに、会員施設の思いをぜひ知りたい。近く、アンケート調査を実施する予定だが、全体会は、そこに表われる意見を反映させたテーマを設定して、未来像が築けるよう盛り上げたいと考えている。

日盲社協が創設当初と大きく違ってきた点が二つあると思う。第1は、創設当初は会員施設が極めて少なかったことと、各々の力が弱く団結の重要性が今よりもはるかに高かったことだ。今も団結の大事なことに変わりはないが、現在では、運営資金の確保や物品の整備等、それぞれの施設が自力と個性を強めて発展をはかるようになっている。第2は、60年の間に施設の種別による専門性が進んだことである。そのため、団結と言っても、日盲社協加盟施設だけの団結という色彩が薄まって、情報サービス、生活施設、自立支援などのように、多くの団体との係わりの中で、運動の成果を高めようとする色彩が濃くなっている。

そのような傾向にある中、種別の異なる施設を200以上抱えている法人が、時には難しい調整を迫られたり困難な場面にも遭遇する。そのような事情もご理解の上、会員施設職員の建設的なご意見とアドバイスをぜひ賜りたいものである。

次に、日盲社協の運動を活発にするために、大会や研修会への施設職員の幅広い派遣と参加に経営者の深い理解をいただきたい。これには施設側に多額の費用負担や職員出張による業務へのしわ寄せ等厳しい事情が想像できるので無理を言いづらいのだが、大会や研修に1度の参加もない施設が相当数あるのは大変残念である。日盲社協のためにも、自施設充実のためにも是非ご理解・ご協力をお願いしたい。

時々聞こえる会員の声に、日盲社協に加盟することのメリット論がある。法人に加盟することで、事業資金が潤ったり施設のネームバリューを高めたりできる特典を指すのだろう。だとすれば、その側面も見据えながら、「選挙のお知らせ」発行のような、サービス向上に直接結びつく仕事を積極的に捜してみたい。しかし、それも施設の団結があればこそ。あくまでも、そこに力点を置いて日盲社協の存在感を高められるよう努めたい。

 

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