日盲社協通信 平成28年(2016年)4月号(通巻72号)

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日盲社協通信 平成28年(2016年)4月号(通巻72号)
編集人:福山博   発行人:髙橋秀治
発行所:社会福祉法人 日本盲人社会福祉施設協議会(日盲社協)
National Council of the Agencies of the Welfare for the Blind (NCAWB)
http://www.ncawb.org/

もくじ
悩みつつ活発な活動へ 理事長 髙橋秀治 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
日盲社協盲人ホーム「杉光園」が新緑の季節に第一歩を踏み出しました
 常務理事 髙橋秀夫 ・・・・・・・・・・・ 2
決断の時 常務理事 舛尾政美 ・・・ 3
センターと機能訓練の今後 常務理事 長岡雄一 ・・・・・・・・・ 4
レッツゴーで Win-Win 関係を築き上げています
 日盲社協レッツゴー事業所所長 高橋秀夫 ・・・・・・・・・・・・・・ 5
<埼玉大会> 皆様のご来訪をお待ちしています 日本失明者協会理事長 茂木幹央   6
私たちはどう向かい合えばよいのか ~ 障害者差別解消法への取り組み ~
 常務理事 長岡雄一 ・・・・・・・・・・ 7
平成27年度第34回音訳指導技術講習会 日盲社協・音訳指導員研修委員長 高橋三智世 ・・・・・・8
楽しかった熊本研修会 ―― 生活施設部会の施設長並びに職員研修会
 生活施設部会長 茂木幹央 ・・・・・ 10
平成27年度自立支援施設部会職員研修会報告 自立支援施設部会長 山下文明 ・・・・・・・ 11
平成27年度点字出版部会職員研修会報告
 日本ライトハウス点字情報技術センター 高橋昭衣 ・・・・・ 12
「選挙公報点字表記委員会」設置の経過及びその活動・課題
 選挙公報点字表記委員会委員長 渡辺昭一 ・・・・・・・・・・・・・・ 14
サピエ図書館を将来にわたって維持するために ―― 機器リニューアルに向けて
 ご理解を! 日本点字図書館館長 杉山雅章 ・・・・・・・・・・・ 15
サピエはなぜストップするのか? 日本点字図書館理事長 田中徹二 ・・・・・・・・・・・・・・ 17
点字資格の社会化に向けて ―― 点字技能検定試験と点字技能チャレンジ講習会
 日本点字技能師協会理事長 中山敬 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18
日盲社協事務局だより ・・・・・・・・・ 20
編集後記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
サイトワールド2016 ・・・・・・・・・・・ 22

        悩みつつ活発な活動へ
      理事長 髙橋秀治
 ラジオやテレビのニュースを聞いていると、何となく落ち着かない気分になる。被災5年目を迎えた東日本大震災の復興は、多くの人々の支援にも関わらずゴールは見えにくいという見方が強い。また、プロ野球選手の倫理の乱れもさもありなんである。国政選挙に至っては、会派の動きに振り回されながら、この夏の選挙は参議院ばかりでなく衆議院を巻き込んでダブル選挙もあり得るとか。おかげで、6月の日盲社協大会は延期を余儀なくされそうな雲行きである。
 そんな中、3月15日に開かれた日盲社協の理事会・評議員会では、法人の事業をめぐって強い批判と叱咤激励が寄せられた。
 一つは同行援護のレッツゴー事業所の運営に対する深刻な懸念である。同事業所の取り扱い数は少しずつ増えてきているが、まだ人件費を賄えるまでには至っていないので、今後どうするかで議論となった。結論は、利用者増の勢いを維持して財政安定を遂げるよう、もう1年続行することが承認されたが、それと関連して本部会計の扱いは慎重に、と釘を刺された。
 二つ目は東京都視覚障害者生活支援センターが、来年4月に都から自立するにあたって、やはり健全な財政に基づいて進めよ、という指摘があった。これまでも自立に向け準備はしてきたが、まだ何が起こるかわからない。本部も必要な手だては行うつもりなので、指定管理30年の歴史を持つ同施設がどう対応していくのか、その力量を見せてほしいものである。
  三つ目は盲人ホーム杉光園の園長交代の件である。
 昨年末、園長をひかれた与那嶺先生の後任として、都立文京盲学校で臨床実習助手や進路指導を43年間行ってこられた高橋喜美代先生の就任が承認された。「利用者を長くても3年くらいで社会に送り出す」という同氏の訓練と指導に期待している。
 来年度事業では、5部会が特色を打ち出した。点字出版部会は各自治体が広報を点字で発行するよう活動を強める。情報サービス部会は点訳・音訳などの技術講習会を実施する。自立支援施設部会は年内に『施設における虐待防止・差別解消対応実践解説書』を発行する。生活施設部会は介護保険移行で利用者負担が生ずる問題を軽減させるための「65歳問題」解決に取り組む。盲人用具部会は10月の国際福祉機器展で2ブースを確保して視覚障害者の機器などを出展する。
 こうして、5部会が十分持ち味を発揮して視覚障害者ならびに社会へ訴えていくのは素晴らしいことである。
 隣の部会は何をしているかを互いに関心を持ち合って、ときには共同で会議や講習会を開いて率直な話し合いを続けると、互いの存在感が高まるのではないだろうか。
 私たちの周りには、悩みもたくさんあるが、宝物もたくさんあるのである。

        日盲社協盲人ホーム「杉光園」が新緑の季節に第一歩を踏み出しました
      常務理事・事務局長 髙橋秀夫
 新緑の季節になり、欅の葉は日差しを乱反射してキラキラ光っています。小学~中学生時代の我が家は欅並木に沿って建っており、2階の窓を開ければ枝に手が届き、秋は枯葉となって舞い落ちるため、ご近所仲良く掃除をするのが日課でした。
 都会ではいつの間にか人間中心主義の人が多くなり、自然と共生する社会生活が遠のいています。「杉光園」の表通りはすっかり賃貸オフィスビルや新築分譲マンションが立ち並び、木造建築物が密集する境界域までビル群に侵食され、路地裏が消滅の危機にさらされています。また、昼間人口流入で自治会活動が形骸化しているそうです。
 「杉光園」はJR御徒町駅から徒歩15分、地下鉄日比谷線「仲御徒町駅」から徒歩10分、地下鉄都営大江戸線「新御徒町駅」から5分です。日本で二番目に古い「佐竹商店街」を通り抜けた立地条件良好な位置にあります。この350mほどの商店街に鍼灸や整骨院など5店舗がしのぎを削って切磋琢磨の競争を展開中です。昨年はポケットティッシュのポスティングや飲食店にポケットティッシュを置いてもらうPR活動で、新規7名の患者の来院がありました。今後はリピーターになっていただけるようサービス向上に努めて参ります。また、佐竹商店街とも連携し、各種行事の参加を通じて交流を図っていきます。
 盲人ホームはあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の免許を有する視覚障害者で、自営・雇用されることが困難な人を対象に、就職の紹介や技術指導などを行う施設です。施設としては、将来自営・雇用される方向を目指していますが、国家資格を持たない無免許無資格者が開業しているカイロプラクティック、整体、クイック、気功、アロマテラピーなどが横行しているため、治療院開業は年々難くなっています。これからの盲人ホームの方向性は、技術指導と雇用の融合性を図るシステムを模索することです。特に雇用を目指す利用者のチャレンジ支援は、盲人ホームの優先課題であり、利用者を送り出した特別支援学校や雇用関係でお願いした機関との連携もより一層強化していかねばなりません。
 日盲社協盲人ホーム「杉光園」は本年度、新園長をお迎えしています。患者ごとのカンファレンスを行い、チーム全体で施術方針を検討するシステムを導入します。受付時間を10時30分から18時30分までに変更し、来院の利便性に応じます。また、ポイントカードの導入で固定患者のサービス向上に努めます。一方、利用者のライフスタイルを尊重し、日盲社協レッツゴー事業所の同行支援や東京都視覚障害者生活支援センターの歩行訓練支援にも対応します。盲人ホーム「杉光園」が新緑の時期に第一歩を踏み出しましたので、会員施設のご支援を賜りたくお願い申し上げます。

        決断の時
      常務理事 舛尾政美
 私が山口県盲人福祉協会の理事長に選ばれたのは昭和56年6月のことであった。あれから施設の経営に直接関わるようになって今日(こんにち)まで40有余年の年月(としつき)が過ぎた。振り返ってみると当時は施設といっても盲人ホームと点字図書館それに点字出版所だけであった。
 昭和57年4月の山口県盲人福祉大会の決議を受けて、私は県の老人福祉課に陳情に行った。
 「盲老人ホームを建設したいと言われるが、資金と土地があって陳情に来るのが常識ですよ」と課長に厳しく言われた。
 私は法人の機関に諮って次のような資金集めをすることにした。
 視覚障害者の団体の会員に寄付を呼びかけた。竜鉄也を呼んで県内3カ所で歌謡ショーを開いた。県内の自治会に物品販売の協力を呼びかけた。県下の市町村に1人当たり10円の補助金をお願いした。そして日動振から約1億8000万円の補助金を受け、福祉医療機構からも6130万円の借り入れができるようになった。
 土地は当初県有地を借りることを考えていたがうまく行かず、結局下関市吉見の市有地約4100㎡を約2500万円で購入することにした。5年の年月(としつき)をかけて資金を集め、土地を取得し、昭和62年3月竣工、4月1日養護盲老人ホーム春光苑は開苑した。
 竣工式で県の課長は「建物はできても入所者定員50名を確保することは容易ではない」と言われた。しかし、2ヶ月後に定員いっぱいになりその後すべて順調に進んだ。
 しかしながら介護保険が始まり措置費が国や都道府県の負担0となり、市・町の負担が100%になり、さらに国の方針が施設から在宅へと変わってのちは、入所者の高齢化・重度化が進み、さらに入所者の大部分は寝たきりとなり、手がかかるようになって経費がかさむようになった。
 食事にしても大部分が車いすで誘導しなければならない。入浴も2人がかりで介護しなければならない。さらに認知の入所者がだんだん増えて、徘徊など管理が困難になっている。こうした中で今年1月には定員80名が50名を下回る状態になった。
 岡山県の養護盲老人ホーム鶴海荘は定員割れが進み4月に事業廃止を決定したと伝えられている。春光苑も現状が続けば近い将来事業廃止を決断しなければならない。
 私の持論としては、「寝たきりになれば特養に行けばいい」のであって、春光苑が特養化するということは、目的が変わってきていると考えられる。
 目的が変われば春光苑の存在も当然考え直す必要がある。経費や人手集めの問題は解決の方法があるとしても、目的が果たせない事業は廃止を速やかに決断しなければならない。近く法人の機関に諮って春光苑の事業廃止の方向を決定し、決断の時を間違えることのないよう願うこの頃である。(山口県盲人福祉協会理事長)

        センターと機能訓練の今後
      常務理事 長岡雄一
 例年通りと言うのは、多少抵抗がありますが、やはり例年通り、桜は早く開花し、この通信が皆様のお手元に届くころには、東京の桜は散ってしまっているのではと思います。
 さて、まだ桜の開花の話題もなかった2月25日。以前から誌上でもお伝えしてきた、平成29年4月からの東京都視覚障害者生活支援センターの日盲社協への民間移譲が正式に決定しました。昭和58年から33年間、東京都の委託であったり、指定管理であったりしてきたわけですが、いよいよ全面的に、日盲社協による経営ということになったわけです。
 東京都の場合、障害福祉サービスの報酬以外に、事業所規模に応じて、一定の条件下で、地元自治体からの補助金が支給されます。当センターの例で言えば、2人分に近い人件費相当ですので、決して少ない額ではありません。
 しかし、やはり、利用される方をしっかりと確保し、サービスを提供していくことが一番になりますので、センターの事業内容の充実や、広報活動は欠かせないこととなります。
 ただ一方、当センターが提供しているサービスのうち、機能訓練については、センターだけではなく、機能訓練を実施している事業所全体、さらに制度論としてのあり方も含めた検討が必要なのではと考えています。障害者自立支援法が総合支援法に変わっても、この部分は決して改善されたとは思えないからです。
  視覚障害の機能訓練だけでなく、肢体不自由関係の機能訓練は、介護保険との関係もあって、非常に厳しい状況に置かれているといっても過言ではありません。まだ、介護保険との関係が薄い、視覚障害関係の機能訓練は良いとさえ思えてしまうほどです。
  一方、視覚障害に関わる訓練には、機能訓練という障害福祉サービスから離れ、中途失明者緊急生活訓練事業も存在しています。日本各地でこの事業により、様々な形で訓練が実施されていますし、非常に効果を発揮しているのではないかと思われます。ある意味、機動性にとんだ、柔軟な対応が可能な制度ではないでしょうか。機能訓練という、比較的機動性の低いサービス提供形態側にいる人間にとっては、非常に羨ましいとさえ感じます。
 これは、どちらが良くて、どちらが悪いといった類の議論とは縁遠いもので、どちらも必要で、どちらも充実させていかなくてはならないものです。また、視覚障害の方のニーズそのものも以前とは違い、さまざまな形によるサービス提供を望んでいるのではと推察されますから、いかにそれらに応えていくかは、私達、サービスを提供する側の課題と言わなくてはなりません。
 日盲社協の中でも、また、日盲社協の外でも、議論が大いに盛り上がればと願ってやみません。(東京都視覚障害者生活支援センター所長)

        レッツゴーで Win-Win 関係を築き上げています
      日盲社協レッツゴー事業所所長 髙橋秀夫
 昨年の6月に開所した日盲社協レッツゴー事業所は、会員施設の館報等でPRのご支援をいただきました。その結果、全国の56名の方から東京に上京する際にご利用をいただきました。まだまだ同行援護事業に対する周知が足りず、当初計画の利用達成数に届かず終わってしまいました。この1年間に観光目的で上京された方は「東京スカイツリー」や「東京ディズニーランド」、「コンサート」、「相撲観戦」などでした。後日、ご依頼をいただきました方から「感謝の言葉」をいただきますと、この事業を推進してよかったと自負しています。
 2年目以降も「指定ご寄付」や「本部繰入金」をお願いしたところですが、会員施設の皆様にも昨年同様のご支援・ご協力を賜り、安定した経営基盤の確立をめざして、ガイドヘルパーと一致団結して邁進していきます。よろしくお願い申し上げます。

      ぶらぶら歩き・アイサポート東京
     およげ「たい焼き」を求めて
 今回は花より「たい焼き」を求めてぶらぶら散歩してみました。「たい焼き」は薄皮のサクサク感としっぽまでの「あんこ」がたっぷりでなくてはダメ。お土産用に箱に入れてもらった「たい焼き」は、開けたときに仮死状態なので持ち帰りは控えましょう。やはり店舗前で袋の中から取り出して食べるのが一番。
 あなたは頭から、それともしっぽから口に入れますか? 私はしっぽから口に入れて、次はお腹と頭に向かっていただきます。焼き立てですので、少しずつ上品に食べていきます。途中で袋の端で口の周りを一度拭きます。食べているのが「たい焼き」ですから恥ずかしがることはありません。通りかかった人は、ほとんど「おいしそう」と言って素通りしていきます。では出発しましょう。
◆麻布十番「浪花家総本舗店」(地下鉄南北線「麻布十番」下車、4番出口)
◆人形町「柳屋」(地下鉄日比谷線「人形町」下車、A1番出口)
◆根津のたいやき「柳屋」(地下鉄千代田線「根津」下車、1番出口)
◆四谷見附「わかば」(地下鉄丸ノ内線「四谷」下車、2番出口)
 どのお店も購入には並びますので余裕をもってお出かけください。さらに詳しくは、日盲社協レッツゴー事業所のガイドヘルパーにどうぞ(電話03-6240-1714) 
3月の「日盲社協レッツゴー事業所」ホームページより

        <埼玉大会>皆様のご来訪をお待ちしています
      日本失明者協会理事長 茂木幹央
 第64回全国盲人福祉施設大会(埼玉大会)は、平成28年6月23・24日の両日、埼玉県熊谷市において開催されることとなりました。微力ながら、私の所がその際の主管施設を務めさせていただくことになりましたので、よろしくお願いいたします。
 熊谷市は、快晴日数が最多日本一で、太陽エネルギーの活用が期待されているところです。ですから、「太陽の町」といってもよいでしょう。
 地元では、「あついぞ!熊谷」といって、暑さを逆手にとって町のPRをしています。
 熊谷駅の北口には、鎌倉時代の前期に活躍した武将の熊谷次郎直実の銅像があります。
 熊谷市内の小中学校の運動会の際には、「直実節」という曲に合わせて生徒達が扇子を持って踊ります。
 わが国における女医第一号の荻野吟子も、作家の森村誠一も熊谷市の出身です。
 熊谷市の隣の行田市は、和田竜著の「のぼうの城」という歴史小説が、2012年に映画化され、最近脚光を浴びています。
 行田にあった「忍城(おしじょう)」という小さな城が、石田三成が率いる大軍勢によって攻められるという戦いを描いたものです。
 熊谷市は、埼玉県北部における中枢都市です。
 皆様のご来訪をお待ちしています。

  会場:四季の湯温泉ホテルヘリテイジ 〒360-0103埼玉県熊谷市小江川228番地 TEL 048-536-1212(代表)

    日程
  6月23日(木)
 12:00~13:00 受付
 13:00~13:15 開会式・オリエンテーション
 13:30~16:00 研修会
 16:10~17:40 事業部会(5部会)
 18:00~20:00 交流会
  6月24日(金)
 09:00~10:30 講演・受賞者懇談会
 10:45~12:00 式典(表彰・来賓祝辞等)
  主管施設:日本失明者協会  〒366-0811 埼玉県深谷市人見1665-3 TEL:048-573-5222 FAX:048-573-6633

          私達はどう向かい合えばよいのか ~ 障害者差別解消法への取り組み ~
        常務理事 長岡雄一
 4月を迎え、障害者差別解消法がいよいよ施行されました。日本が障害者権利条約を締結するにあたって求められる、国内法の整備を行う上で、肝ともなる非常に大切な法律です。
 自立支援施設部会では、すでに施行されている虐待防止法なども合わせ、施設(事業所)の職員である私達が、これらにどう臨んでいけばよいのかを、今年1年かけて、冊子にまとめることにしました。
 障害者全体に関わる法律ではありますが、それぞれの障害によって、注意する点などは変わってくるのではと考えたからです。たとえば、虐待における「放置」の問題一つを扱うにしても、視覚障害者にとっては、他の障害者にない場面での「放置」が考えられるわけです。
 そうした観点から、総論的な、一般的な内容ではなく、できるだけ実際の場面に即した形での内容にしていこうと構想を練っています。
 さて、障害者差別解消法に話題を戻しましょう。
 法律は、共生社会の実現に向け、障害者が日常生活などで関わる全ての分野を対象としています。そして、行政機関や事業者等に対して、不当な差別的取り扱いの禁止や合理的配慮の不提供の禁止を求め、それらを法的義務としていますが、事業者等の合理的配慮の件についてだけは、努力義務という扱いになっています。
  また、雇用主が、障害者である労働者に対して行う、障害を理由とした差別に関しては、障害者雇用促進法の定めるところによるので、差別解消法からは外されています。
 さらに、これらはあくまでも、行政機関や事業者等と障害者の関係の中で生まれてくる差別を扱っており、個人的な関係で障害者と接する場合等については、対象とはなっていません。
 本音を言えば、私達、福祉事業の現場で働く者にとっては、仕事として日常的に障害者に接しているそれぞれの場面において、実際に差別という問題が生じていないのか、非常に気になるところではあります。そして、それは時には意識しない状態でも起こり得ることも、肝に銘じておかなければなりません。
 不当な差別的取り扱いとはどういうものなのか。厚生労働省の記した「障害者差別解消法 福祉事業者向けガイドライン」には、「サービスの利用に必要な情報提供を行わないこと」という例が載せられています。視覚障害者にとっては、他の障害の方以上に切実な筈です。
  また、合理的配慮とはどういうものなのか。同じガイドラインには、「それ」「あっち」などと表現せず、具体的に説明を、と記されています。
  どれも常にある差別という感じさえします。これらをひとつひとつ、十分自覚ができるような冊子が作成出来たらと思っています。(東京都視覚障害者生活支援センター所長)

        平成27年度第34回音訳指導技術講習会(第13回認定者対象講習会)
      日盲社協・音訳指導員研修委員長 高橋三智世
 平成27年11月11日(水)12:30~11月13日(金)12:30、東京都港区の霊友会釈迦殿小谷ホールにおいて標記講習会を受講者154人で実施した。
 講義内容は、以下の通り。
    第1日目 11月11日(水)
 ①視覚障害者福祉概論
 講師:立花 明彦
 これからの、情報提供者としての活動に不可欠である「障害者差別解消法」、「図書館サービス」および「合理的配慮」について、今後の音訳活動につなげて説明した。
 ②ボランティア養成概論
 講師:服部 敦司
 音訳者の役割である「目の変わり」としての情報提供について、当事者でもあり、ボランティア養成者でもある立場から、「必要とされる情報」を偏らなく提供することが大切である事をサピエでの製作数とボランティア数などで説明した。
 ③音声表現技術Ⅰ
 講師:安田 知博
 発声・発音の基礎から、呼吸法までを実際に受講者に体感させながら説明した。また、呼吸法の取得方法や調音についても練習方法を示し、普段の講習会などでの実践方法を受講者に伝えた。
    第2日目 11月12日(木)
 ①処理技術Ⅰ 活字符号の処理
 講師:熊谷 成子
 活字符号等の処理に関する基本事項と専門的な視野からの様々な事例を示しながら、養成に必要なポイントを説明。及び、実際の音声を聞かせ処理体験もさせ考え方を定着させた。
 ②処理技術Ⅱ
 担当:音訳指導員研修委員会
 処理の度合い、表現の注意点、文章化の基本の説明と処理の考え方を 写真・図・グラフ等の視覚的資料事例により具体的に説明した。
 ③音声表現技術Ⅱ(伝わる読み)
 講師:恵美 三紀子
 事前に受講者対象のアンケートをとり、普段、音訳の指導の場で困っていること、難しいと思われることなどを踏まえた上で、広い意味での音声による情報の伝達ということについて、その役割、その指導方法について説明した。
 ④調査技術
 講師:襟川 茂
 正確な内容で製作するための調査の必要性を説き、読みの調べ方によって内容が変わってしまうことの例を示し、多岐に渡る情報提供のためのレファレンスブックやインターネットサイトの利用方法を説明した。

    第3日目 11月13日(金)
①録音技術
 講師:堀江 達朗
 認識にバラつきのある「適正録音レベル」について確認。マイクなど録音機器の特性を知ることで、いかに安定した音質を保持するかを解説。その他、雑音に対する意識や対処法について説明した。また、質疑応答の形式で、録音についてのトラブル・疑問点について回答。新しいOSに対応したオーディオインターフェースについても回答。
②校正技術
 講師:香川 恵
  校正についての「共通の基準・認識」の重要性を説明。そのほか、校正者の位置づけ、校正レベル、校正者の適正について説明。また、実際の校正指摘事例を示し、その妥当性について説明した。さらに、ワークショップ方式で校正の在りかたを示した。

    <成果>
 講習会終了後に行ったアンケート結果は、概ね満足のゆく講習会だったとの意見が多かった。中でも、講義については内容が濃く幅広くて満足、当事者の講師の講義である、障害者概論、処理についての考え方・方法に触れたこと、発声等の指導が新鮮であったと評価が高かった。会場については今回初めての施設であったが 広くて良いという声も多かった。広い会場のため、ややスクリーンの文字が見えにくかったなどの意見もあったが、希望者全員の受講を受け入れることができた。総合的に各々の施設・団体に持ち帰りすぐに実践に役立つ事ができるような手ごたえを感じたとの意見も多かった。

    講師
 氏名、肩書き
 立花明彦  静岡県立大学短大部社会福祉学科准教授
 服部敦司  枚方市立中央図書館職員
 安田知博  フリーアナウンサー、音訳指導者
 熊谷成子  元静岡県点字図書館職員
 恵美三紀子 元全国視覚障害者情報提供施設協会録音委員会委員長
 襟川茂   元京都ライトハウス情報ステーション職員
 堀江達朗 東京ヘレン・ケラー協会点字図書館職員
 香川恵   香川県視覚障害者福祉センター職員

        楽しかった熊本研修会―― 生活施設部会の施設長並びに職員研修会 ――
      生活施設部会長 茂木 幹央
 平成27年度生活施設部会の施設長並びに職員研修会を11月26・27の両日、熊本市内の熊本ホテルキャッスルと加藤神社を会場に開催しました。
 当番施設の社会福祉法人日生会と盲養護老人ホーム熊本めぐみの園の皆様のご尽力により、大変楽しく有意義な研修会でした。ここに改めて感謝と御礼を申しあげます。
 まず初日の研修会について報告します。
 講演Ⅰは、社会福祉士の長島日出子先生による「認知症サポーター研修」でした。
 認知症者には声かけをすることが大事で、急がせない、自尊心を傷つけない、その人の人間性を見つめて一緒に生きていくという態度が大事であるというような内容に感銘を受けました。
 講演Ⅱは、加藤神社湯田榮弘名誉宮司による「今、なぜ、清正公さんなのか」という話しで、この時は、会場をホテルから加藤神社に移動しました。加藤神社の御祭神は、加藤清正公で、湯田先生から清正公について色々なお話を伺いましたが、その中で私の記憶に特に残っているのは、「財を残さず人を残すというのが清正公の心である」という一節です。なお、講演Ⅰと講演Ⅱとの間に、熊本城での散策があり、そのスケールの大きさに驚きました。
 研修会終了後、城彩苑「ぎんなん」という料亭で、夕食・交流会を開催しました。
 夕食・交流会では、当番施設の皆様の温かいご配慮が随所ににじみ出ておりました。「馬肉入りシチュー」の、なんと美味しかったことでしょう!
 次に、11月27日のことについてご報告いたします。
 9時から10時45分まで、「施設並びに通所・居宅における課題と対策」というテーマで分科会を開催しました。
 分科会は、二つのグループに分かれて実施しました。
 処遇困難者のこと、認知症者のこと、難聴者のこと、マイナンバーのこと、看取り介護のこと、入所待機者の状況のこと、職員の他の職種との連携のことなどについて話し合いました。
 分科会終了後に、閉会式を行いました。
 閉会式終了後に、当番施設のご好意で昼食をご用意いただきましたことには、大変恐縮をした次第です。
 それから、職員の方に、ホテルの玄関から福岡空港の玄関まで車でお送りいただき、本当に助かりました。
 おかげさまにて、何ひとつ不自由のない快適な研修旅行をすることが出来ました。

        平成27年度自立支援施設部会職員研修会報告
      自立支援施設部会長 山下文明
 自立支援施設部会では、平成27年度職員研修会として平成27年11月19・20の両日にわたり、日本盲導犬協会神奈川訓練センターにて開催しました。
 本年度研修会では「移動支援」をテーマに、全国の会員施設から61名と多くの参加で大変盛況のうちに終わりました。
 以下、今回主管施設としてご尽力いただいた日本盲導犬協会が発行する『盲導犬くらぶ』第81号からの抜粋です。
 今年のテーマは、同行援護、白杖、盲導犬の3つの「移動支援」について。参加者61人と例年を上回り、関心の高さが伺えます。視覚障がいの方が、自身にあった歩行を選択しQOLをあげていくことは、自立と社会参加に欠かせない重要な課題といえます。
 研修会では5つの講演とパネルディスカッションが行われ、現場での課題などについて意見交換も行われました。制度や地域、担当者の理解度によって視覚障がいの方が受けられるサービスに格差が生じてしまうことなど課題があがりました。協会からは、盲導犬とはどんな犬なのかVTRを使い分かりやすく説明しながら、視覚障がいの方が安心納得して盲導犬歩行を選択できるようサポートしていく重要性を伝えました。
 刻々と変化するニーズに応えるため、それぞれの専門家が連携していくことを改めて確認しました。

        平成27年度点字出版部会職員研修会報告
      日本ライトハウス点字情報技術センター 高橋 昭衣
 平成27年度の点字出版部会職員研修会が、12月3日・4日に「ひろしま国際ホテル」(広島市)を会場に、16施設32名の参加のもと開催された。
 1日目①「日本の点字出版の歴史とこれから」講師:ロゴス点字図書館髙橋秀治館長
 日本における点字の採用からはじまり、点字がどのように広がっていったかを点字印刷や点字製版機の歴史とともに系統だって説明され、現在点字の置かれている状況はどうなのか、どのような問題があるのかについて述べられた。
 点字の世界は、パソコンの登場により、視覚障害者も墨字を書くことが出来、情報入手・発信がしやすくなり、視覚障害者の社会参加に大きな影響を及ぼしたが、医学の進歩により、高齢の中途失明者が多くなったこと、点字を習得しなくとも日常生活がおくれるようになり、録音図書を利用する人が増えたこと、自治体の入札制度による行き過ぎた価格競争など、これらのことが点字出版所にとって大変厳しい状況を作りだしている。点字は大切な文字であり、この点字文化は守っていかなければいけない。そして、点字製版機や印刷機の維持も含め、点字出版所は、今こそお互いに助け合い進歩していかなければいけないのではないかと締めくくられた。
 1日目②「被爆地ヒロシマの復興と障がい者福祉の歩み」講師:元福山平成大学福祉健康部藤井悟教授
 3名の被爆体験者を紹介しながら、戦争当時の日本の状況、原爆投下後や戦後の様子について、実話をおりまぜながら話をされた。戦後10年は占領軍によって被爆についてしゃべることが禁じられたこともあるが、多くの被爆者が自分だけが生き残ってしまったという自責の念を持っており、当時のことについて話をすることが出来ないという。
 戦争は、敗けた国だけでなく勝った国からも犠牲者を出し、障害者や赤ちゃんなど弱き者から犠牲になってしまう。平和記念公園の原爆死没者慰霊碑に刻まれた「安らかに眠ってください 過ちは繰り返しませぬから」という言葉のとおり、経験から何を学ぶのかということが大事であると述べられた。
 次には、自立支援法、差別解消法といった社会福祉法を取り上げ、これらの法律は健常者中心の法律になってはいないか。当事者である障害を持った人たちがどんどん声をあげていかなければいけない。法律を作るだけではいけないのだと熱く語られた。様々な運動や働きかけにより法律が制定されたが、「制定されたことに満足するのではなく、さらに私たち自身がこれからもっと法律をより良くしていかなければなりません」と述べ締めくくられた。
 1日目③「視覚障害教育と点字教科書」講師:広島大学大学院教育学研究科牟田口辰己教授
 文科省著作点字教科書について定めた法律を紹介された後、実際に点字教科書を作っていく中で、どのように編集が行われるのか、基本的には原典に沿った点訳を行うが、場合によっては差し替えを行うこともあるなど具体例をあげながら編集する上で気をつけていること等をお話しされた。また、教科書の選定は、点訳のしやすさ、使いやすさ、弱視の生徒も使用するので、弱視の生徒にも配慮しながら進められる。
 次に、文科省著作点字教科書がどのように始まったのか、現在の点字教科書事情、全国の盲学校の現状を学校数や生徒数といった数字を提示しながら情報提供された。最後に文科省の報告資料の紹介の中に盲学校など特別支援学校での一人あたりの教育費比較表にあげられている数字を出されたが、生徒数が減少しているにもかかわらず、一人あたりの教育費の金額は上がらずに逆に下がっており、教育に当てられる費用が減らされている現状に愕然とさせられた。
 2日目①「先達の原風景を訪ねて ~ 我々に与えられたミッション」講師:広島国際大学医療福祉学部關宏之特任教授
 リハビリテーションに携わってこられた關氏は、障害者福祉の歴史について語られた後、自身が以前に勤務していた日本ライトハウスでの生活訓練について話をされた。時には行き過ぎることもあったそうだが、おおらかで熱意にあふれた当時の話は、あまり生活訓練の場と直接関わることが無い点字出版所として、どのような点字を求められているかを考えさせられた。
 次に、關氏のもとに相談のあった例をあげながら触知図についても言及された。
 触知図自動作成システムの研究開発が大学の研究室で行われているが、一見便利なシステムに見えても実際には、地図があればどこへでも行けるわけではなく、現在位置の情報などがなければ意味がない。点字出版部会が一丸となって、本当に求められる点字情報を発進していって欲しい。そして、外部への働きかけもどんどんやって欲しいと締めくくられた。
 その後、部会から選挙プロジェクトなどの報告、各施設との情報交換の時間へと移った。今回は1日目の髙橋氏の講演でも取り上げられたが、自動点字製版機について、特に不具合の対処法について、他の出版所ではどうしているかが話題にのぼった。各施設ともに苦心しており、点字出版所の業務になくてはならない自動点字製版機や点字印刷機の行く末は、点字出版部会全体の問題として取り組んでいくべき課題であることを認識させられた。

        「選挙公報点字表記委員会」設置の経過及びその活動・課題
      日本盲人福祉委員会視覚障害者選挙情報支援プロジェクト選挙公報点字表記委員会委員長 渡辺昭一
 現在の日本においては、視覚障害者が点字投票することは普通に認められているが、投票の前提となる選挙公報の点字版は未だに発行されていない。視覚障害者団体は「全文点訳の選挙公報」の発行を要求しているが、公職選挙法や地方自治法に点字選挙公報発行の規定は設けられていない。このような状況の中、視覚障害者情報提供施設等は、視覚障害有権者の投票の有力な判断材料を提供すべく、活動を継続してきた。
 そして、短期間に大量の選挙公報を製作するためには、複数の製作施設が集まり、プロジェクトチームで取り組まなければならないことから、①日本盲人会連合・日盲社協・全国盲学校長会で構成する日本盲人福祉委員会(日盲委)内に、2004年、視覚障害者選挙情報支援プロジェクトを発足し、②点字版選挙公報は、公職選挙法の第148条に基づき報道・評論の一環として認められているので、新聞か雑誌の体裁を整える必要があることから、毎日新聞社の了解を得て、発行紙名は『点字毎日号外 選挙のお知らせ』とした。つまり、発行は日盲委、編集は点字毎日が責任を負うこととなった。
 プロジェクトでは、2014年の衆議院選を含め8回の国政選挙の点字版「選挙のお知らせ」の製作を手掛けた。初めの頃は、誤りなく投票日に間に合うよう製作することに集中したが、活字原文の忠実な点訳を求められる選挙公報の性質と、点字出版所間の点字表記の微妙な違いの調整を求める声が、点字毎日から提起された。
 そこで同プロジェクトは2009年に、点字版部会内に本「選挙公報点字表記委員会」を設置し、選挙公報における点字表記のあり方について諮問した。委員会は2010年に、一定の結論をまとめて、日盲委理事長宛に答申を行い、いったん解散した。ところが、プロジェクト加盟施設等でない施設で作成された点字版選挙公報の点検を行ったところ、見過ごすことができない問題点が浮き彫りとなり委員会を常設することとなった。
 委員会の活動としては、答申に盛り込まれた職員向け研修会の企画・資料製作・講師派遣をはじめ、プロジェクト内外で作成された点字版選挙公報の点検作業を行っている。その一つの集約点として、2015年に点字と墨字で『点字版選挙公報製作必携』を日盲委から発行した。
 今後とも、より質の高いものを製作していくために、職員研修会および点字版選挙公報の点検は欠かすことができない。また、加盟施設等の意見調整を図りながら、点字表記の統一に向けて協議を継続していくことも大切である。そして、法律に基づく点字版選挙公報の実現を展望して、加盟施設等の力量を、より高めて行くことが最大の課題である。(京都ライトハウス情報製作センター所長)

        サピエ図書館を将来にわたって維持するために―― 機器リニューアルに向けてご理解を! ――
      日本点字図書館館長 杉山 雅章
 ゴールデンウィークを挟んだ4月下旬から5月中旬まで、サピエは、サーバ機器類のリニューアルを行います。このためこの間は、サピエのサービスを利用することができません。これまで小規模な改修や、部分的な修理のために停止したことはありましたが、機器を全く新たなものに入れ替える工事は、今回初めて行います。とても大規模な工事になるため、停止期間も長くなってしまいます。皆様には大変ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。
 サピエを将来にわたって安定的に維持していくためには、このサーバ機器類のリニューアルを約5年毎に行わなければなりません。その費用をどのように予算化するか、日本点字図書館(日点)では様々な検討を重ね、この度ようやく機器のリニューアルを行うことになりました。ここでは、ここに至るまでの検討経過とその意味についてご説明いたします。
 サピエ(視覚障害者情報総合ネットワーク)は、全国の点字図書館、公共図書館などの施設が参加し、視覚障害者等にさまざまな情報を提供する日本最大のネットワークシステムです。その中心となるサピエ図書館は、点字図書約17万タイトル、音声図書約7万タイトルを保有する電子図書館です。このサピエは、多数のサーバ機器類とコンテンツを保管する大容量のストレージで構成されているため、機器をリニューアルするには多額の費用が必要になります。
 皆様ご存知のように、サピエは2009年度厚生労働省の補正予算約4億円によりシステムを開発し、コンピュータ機器類を一括購入しました。機器類の保守費とサピエ図書館システムの保守費は、厚生労働省から補助金として毎年予算化され、日点に委託されています。
 しかし、毎年の保守費は予算化されていても、新たな機器を購入する費用は予算化されていません。この費用をどのように捻出するかは、サピエの運用を開始してから抱えていた大きな課題でした。
 コンピュータ機器類は、故障時に部品供給が保証されている保守期間内(約5年)にリニューアルする必要があります。サピエがサービスを開始してから3年が経過し、機器のリニューアル費用を具体的に検討する時期になりました。
 サピエを今後どのように維持していくかについて、厚生労働省は2012年に日点、全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協)、それに外部委員が参加する「サピエの管理・運営に関する懇談会」を作り、3回にわたって議論を行いました。しかし、結果としては、新しいサーバ機器類を購入する予算を捻出するまでには至りませんでした。システムの管理に責任がある日点としても、独自の予算でそれを賄うことはとてもできません。つまり、このままでは数年後にサピエはストップしてしまうことになるのです。
 2015年度、いよいよ機器の保守期間が切れる年になり、厚生労働省は2年間の延長保守費を予算化しました。延長保守とは、契約期間内に故障した場合でも、機器の部品供給を約束するというものです。ただし、この延長保守のさらなる延長はできません。厚生労働省からは、「この2年間でサピエの今後について検討し、対策を立てるように」という話がありました。新たな予算はないため、毎年予算化される補助金の中で、これまで通り保守管理を行い、さらに機器のリニューアルもできるようにしなければなりません。しかも、これを2年以内に実現する必要があります。
 この困難な課題に対し、日点はあらゆる可能性を模索しました。全視情協とも協議し、それまでサピエが持っていた4つの機能のうち、地域生活情報、図書製作支援の2つの機能は、全視情協自身でサーバを手配し、システムの保守を行うことになりました。また、ポータルサイトは仕組みをシンプルにして、サピエ図書館サーバ内に移設することにしました。これによりポータルサイト、地域生活情報、図書製作支援の3つのサーバが不要になります。このシステム改修工事を昨年7月に行いました。
 この改修により、日点が管理するシステムのうち、機器のリニューアルの必要があるのは、サピエ図書館関係の機器類に絞ることができました。サピエ図書館には、コンテンツを保管する機能、会員情報を管理する機能、コンテンツをアップロード・ダウンロードする機能など7つの機能があり、現在はそれぞれ独立したサーバ機器で運用しています。これらの機器の効率化について、相談していたコンピュータ会社の中で、(株)日立システムズから最新のクラウド技術を使うことにより費用を大きく低減できるという提案があり、同時に機器の保守管理についても費用低減の提案がありました。そこで具体的に技術的な仕様を詰め、価格交渉を何度も行い、ついに補助金の予算内に収められる見通しがたちました。
 最後の課題は、既存機器から新機器へソフトウェアやデータを移す移設費(約500万円)の捻出です。これ以上のコストダウンはどこにも依頼できませんので、この費用については日点が自己負担することにいたしました。
 これでサピエ図書館関係の機器購入費及び、保守管理費を厚生労働省の毎年の予算内で賄うことができるようになり、サピエ図書館を将来的に安定して維持できることとなりました。
 皆様には長い間ご心配をお掛けしておりましたが、これで厚生労働省の補助金が維持される限り、サピエ図書館を継続できるようになりました。昨年から機器リニューアルに向けての準備を進め、関係団体・企業とも日程調整を行い、いよいよその工事を4月28日から5月16日にかけて行うことになったのです。
 文頭でも申し上げましたが、この間サピエのサービスは利用することができません。停止期間が長くなり、皆様には大変ご迷惑をお掛けしますが、サピエの将来に向けての大切な工事であることをご理解のうえ、よろしくご協力くださいますよう重ねてお願い申しあげます。

        サピエはなぜストップするのか?
      日本点字図書館理事長 田中 徹二
 私はサピエのヘビーユーザーで、毎日アクセスしている。外で飲んで帰ったときには、さすがにパソコンは触らないが、次の日には2日分検索する。というのは、週刊誌や月刊誌が、日々アップロードされているからだ。
 週刊誌は、『週間文春』や『週間朝日』など4誌、月刊誌は、『文藝春秋』や『世界』など5誌を必ず読んでいる。
 そのほかに小説をたくさん聴いているので、年間何冊読んでいることになるのだろうか? 週刊誌、月刊誌で260冊であるから、400冊近くになるかもしれない。私の趣味は読書と大きな顔で言えるようになったのだ。
 もちろん週刊誌や月刊誌は飛ばし読みする。ちょっと聴いてつまらないものは、どんどん飛ばす。
 さらに、2・3倍速で聞くので、週刊誌は、たぶん1時間も聴いていないと思う。それでもテレビやラジオのニュースでは知り得ない内容がわかる。美容院でしか、週刊誌をほとんど見ない家内に、ベッキーの問題や甘利大臣の秘書のこと、清原の過去など、とくとくと説明できるようになったものだ。
「それがどうした。つまらないことだ」と言われてしまえば、それまでだが。
 テレビといえば、NHKのニュースや大河ドラマ、朝ドラぐらいしか見ない私には、ベッキーなど初めて聞いた名前だった。
 サピエの利用者にとって、週刊誌の全文の中から、好みの記事が読めるなど、2・3年前までは夢の夢だった。この気持ちは、たとえ点字図書館の職員でも、晴眼者にはとても理解できないと思う。その人たちにとって、サピエがどうなろうと痛くも痒くもないからだ。
 そのサピエが3週間近くストップしてしまうことになった。その間、サピエにアクセスできないとすれば、サピエ依存症の身にとってはたいへん辛い。
 新システムに安全に移行するために、これくらいの時間が必要だというのであるが、読むものがない休日をどう過ごすか、私にとっては大きな悩みである。
 厚労省から、サピエを継続するための補正予算は出ない、と言われたときの私が、いかに大きな衝撃を受けたかご想像いただけると思う。日点にはとてもそんなお金はない。一時は、サピエの継続は絶望的だと大いに苦しんだものである。
 ところが、時代が助けてくれた。サピエがスタートした6年前に比べると、技術の進歩に伴う新しい環境ができていた。この辺の事情については、杉山館長の文を読んでいただければわかると思う。
 新システムが将来継続することを思えば、3週間やそこらの中断はがまんしなければならないのかもしれない。

        点字資格の社会化に向けて―― 点字技能検定試験と点字技能チャレンジ講習会 ――
      NPO法人日本点字技能師協会理事長 中山 敬
 今の社会は多様性と専門化がキーワードで、幅広いニーズにきめ細かなサービスが求められます。そのために、人は限られているのに限りなく忙しくなっています。それでも、専門家に聞いてユーザーが満足するような仕事をしよう、という声があることは携わっている人間にとって本当にありがたいことです。
 はたして、点字も同じように聞いてもらえているでしょうか。生活のなかに点字表記は増えましたが、その点字を読むと「なんで私たちにちょっと聞いてくれないのかなあ?」と思うことがよくあります。墨字を点字にするにはそれなりの知識や技術が必要だ、という認識が社会一般のなかではまだまだ広まっていないことを示していると思います。

    1.社会課題としての点字資格
 点字の専門家はどこに? いや、自分で学んで点字の資格を取りたいと思い立ったらどうすればいいのでしょうか。
 仕事で英語の資格が必要だから英語検定試験やTOEIC試験を受けよう、普段使っている漢字をもっと勉強するために漢字検定試験を受けよう、そんなときは本屋さんに行けば墨字の過去問や参考書が簡単に手に入ります。また、手話通訳であれば厚労省のホームページに資格についての情報が載っています。
 ところが、点字の資格についての書籍類は、本屋さんにずらっと並んでいるわけではありません。手話と違い厚労省のホームページにも説明はされていません。日盲社協のホームページにたどりついたとしても「社内検定試験」とあり、募集要項の受験資格を読んでも誰でも受けられるとは読みとれません。
 点字に興味を持ち、何か資格が取れないかとせっかく日盲社協のホームページを読んだ人たちに、「社内資格」であることで点字への道を閉ざす結果となっているかもしれないのです。
 一方、4月から障害者差別解消法が施行されました。行政や民間企業が視覚障害者への配慮として、点字で情報提供しようと心に決めたとき、点字の専門家にたどりつきにくいことも問題です。このような状況のなか、点字資格を公益性や社会資源という視点で再度検討することも必要ではないでしょうか。

    2.点字情報環境をより良くするために
 点字による情報提供にかかわる問題の解決の道すじを、皆様と検討したいと思っています。国家資格はすぐに実現できるものではない今、すでに存在する資格「点字技能師」を広く社会にアピールすることが重要であると考えます。
 日本点字技能師協会(日点協)は、点字担当者の技能の向上を図るだけでなく、点字技能師の育成を目的に点字技能検定試験(検定試験)の解説書を発行し、受験しようという方たちを対象とした「点字技能チャレンジ講習会(チャレンジ講習会)」を毎年実施しています。この活動は日点協のためにというより、点字の有資格者を増やすことが、点字情報環境の改善にとって欠かせないとの認識から行っているものです。皆様にもそれに共感していただき、ぜひご協力いただきたいと願っています。

    3.検定試験とチャレンジ講習会についてのお願い
 皆様方各施設の職員・点訳ボランティアの方々に、検定試験受験を積極的にすすめてください。有資格者を増やすことが大切だからです。皆様の施設には点字技能師と同等以上の技能を持っている人材が多数おられるはずです。なかには学科試験の障害者福祉等に自信のない方もおられますが、そのような方々にはチャレンジ講習会の受講をすすめてください。
 チャレンジ講習会では、試験の概要、解答の書き方など受験にあたっての注意点、『表記法』の重要ポイント、関連する日本語の知識、障害者の福祉や教育・点字の歴史などの講座と、2時間半にわたる実技科目の模擬試験を行っています。受講者からは、「去年実技試験で落ちた理由があらためてわかった気がします」「今日は全国から点字技能師を目指す方が集まっておられて心強く感じました」などの、実際的で、仲間がいると思えることが大切だとの感想をいただき、毎年何人かが合格しています。この「チャレンジ講習会」に日盲社協の協力や後援をいただけないでしょうかというのが二つ目のお願いです。

    4.解答の公開、初級試験、資格の整理
 次に、日盲社協のホームページでの検定試験について、「だれでも受験できる」ことがわかるような表現にしませんか? そして試験の解答を公開することを要望します。解答の公開は、試験の信頼性を高めることにもなります。
 また、点字初心者のモチベーションを保ち、点字従事者のすそ野を拡げるために、現在の試験と並行して点字初心者を対象とした「初級試験」を実施することを提案します。
 点字技能師と点字指導員の二つの資格の整理に関する昨年の日点協からの提案についてもぜひ推進してくださるよう期待します。

    5.きめ細かな情報のために
 点訳ボランティアの働きやサピエ図書館により、点字使用者の読書環境はかなり充足されてきました。それにひきかえ、税金や社会保険料などの個人情報の微妙な内容のものほど、点字での情報提供は遅れています。この遅れへの対応や提案ができるように、日盲社協または情報サービス部会として働きかけができればと思っていますし、そのための一つの手段として点字資格を社会に広めることが肝要ではないでしょうか。

        日盲社協事務局だより
      法人名称・施設名称変更
<自立支援施設部会>
 社会福祉法人広島聖光学園「障害者支援施設広島聖光学園」は、平成28年7月から法人名が社会福祉法人聖光みのり会に、平成28年4月から施設名が、「障害者支援施設みのり聖光学園」に変わります。
 ※同施設の住所・電話番号等は従来通りで変更はありません。
<生活施設部会>
 社会福祉法人広島聖光学園「盲養護老人ホーム白滝園」の施設名は変わりませんが、法人名は平成28年7月で社会福祉法人聖光みのり会に変わります。
 ※同施設の住所・電話番号等は従来通りで変更はありません。
      施設長変更(敬称略)
<情報サービス部会>
 青森県視覚障害者情報センター
新所長 工藤 幸雄(平成27年4月~)
<自立支援施設部会>
 盲人ホーム杉光園
新園長 髙橋 喜美代(平成28年4月~)
<生活施設部会>
 盲養護老人ホームめぐみの園
新施設長 佐土原 護(平成27年12月~)
各部会研修会・講習会、展示会開催スケジュール(予定)
(1)点字出版部会職員研修会
期日:平成28年12月1日(木)~2日(金)
場所:佐賀市(佐賀ライトハウス)
(2)情報サービス部会各種講習会
①第7回情報機器等支援者講習会
期日:平成28年8月3日(水)~5日(金)
場所:大阪市(日本ライトハウス情報文化センター)
②点字指導員講習会
(平成28年度点字指導員資格認定講習会)
期日:平成28年8月23日(火)~25日(木)
場所:岐阜市(じゅうろくプラザ)
③第35回音訳指導技術講習会
(第14回フォローアップ講習会)
期日:平成28年11月9日(水)~11日(金)または11月29日(火)~12月1日(木)
場所:東京都内
(3)自立支援施設部会職員研修会
期日:平成28年11月予定
場所:未定
(4)生活施設部会施設長並びに
   職員研修会
期日:平成28年11月24日(木)~25日(金)
場所:熊谷市(熊谷ライトハウス、その他)
(5)盲人用具部会出展展示会
①愛知視覚障害者援護促進協議会創立35周年記念事業ロービジョンフェア出展および便利機器講座
期日:平成28年5月28日(土)~29日(日)
場所:名古屋市(愛知県医師会館)
②第43回国際福祉機器展H.C.R.2016出展
期日:平成28年10月12日(水)~14日(金)
場所:東京都(東京ビックサイト)
③第11回サイトワールド2016出展
期日:平成28年11月1日(火)~3日(木)
場所:東京都(すみだ産業会館サンライズホール)
    事務局からのお願い
 弊誌では、日盲社協全会員施設の施設長名等の変更を逐次掲載しています。また、事務局では、充実したホームページにするため、こまめな更新に努めております。ホームページの「部会別ページ」には、全会員施設の法人名、施設名、住所・電話番号・FAX番号・E-mailアドレス、ホームページを持つ施設には、そのリンクをお願いしています。
 日盲社協のホームページをご覧になって、間違いがないかどうか、ご確認・ご校閲をお願いします。そして、誤りや変更がありましたら当事務局までご一報くださいますよう、よろしくお願いいたします。

        編集後記
 視覚障害者の読書に今やなくてはならない電子図書館の「サピエ」が、4月28日(木)から5月16日(月)の19日間停止します。そこで、今号にそのやむを得ない事情を、日本点字図書館杉山館長と田中理事長に詳しく寄稿していただきました。
 このために本誌は、いつもより2週間ほど早く発行することになりましたので、執筆者の方々には、年度末の忙しい時期に大変ご無理を申しあげました。しかし、それにも関わらず、ご協力いただきましたことに対して篤く御礼申しあげます。
 本号の「日盲社協事務局だより」に「各部会研修会・講習会、展示会開催スケジュール(予定)」を掲載しました。
 日盲社協事務局に以外に多い問い合わせ事項だということです。口コミによるPRよろしくお願いいたします。(福山)
    情報提供のお願い
 本誌に対する情報提供・要望・苦情・意見・感想は、日盲社協広報委員長福山博宛、メール(fukuyama@thka.jp)等でお送りください。お待ちしております。
『日盲社協通信』WEB版リリース
  『日盲社協通信』が、平成23年(2011年)11月号(通巻63号)から、日盲社協のホームページにアクセスして、全文を読むことができるようになりました。こちらもご高覧ください。http://www.ncawb.org/

        第11回 視覚障害者向け総合イベント
      ふれてみよう! 日常サポートから最先端テクノロジーまでサイトワールド(R) 2016

 サイトワールドは、最先端の技術・機器、日常用品、および、ユニバーサルデザイン(UD)製品等の展示会、講演会、学会発表、フォーラム、体験会等が催される、世界でも例を見ない視覚障害者のための総合イベントです。来場者一人ひとりが主役です。

 日時:平成28年(2016年)11月1日(火)、2日(水)、3日(木・文化の日)午前10時~午後5時(11月3日は午後4時まで)
 会場:すみだ産業会館サンライズホール(JR・地下鉄半蔵門線 錦糸町駅前 丸井錦糸町店8・9階)東京都墨田区江東橋 3-9-10  墨田区丸井共同開発ビル

主催 社会福祉法人 日本盲人福祉委員会サイトワールド実行委員会
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-29-7-401 (株)ラビット内
TEL:03-5292-5644  FAX:03-5292-5645 E-mail:sightworld-bj@gmail.com

 日盲社協レッツゴー事業所
 TEL:03-6240-1714
 http://www.lets-go.or.jp

 あなたの住んでいる街から東京へ 東京からあなたの住んでいる街へ 
  日盲社協加盟の同行援護事業所の連携で、安心・スムーズ・楽しく移動できます。

  アイサポートならレッツゴーのレッツ・エンジョイTOKYO
 写真:東京の桜開花日が3月22日と発表されました。待ってましたとばかりに、「桜の下での会食は昼もよし、夜も良し」で桜の図柄の入った缶ビールがドンドン空いていきます。かわいらしいカップルや健康である喜びを分かち合う家族、会社の夜桜鑑賞会と称して飲みにケーションを図る人々で賑わい、上野の西郷さんも寝不足だとか。写真は上野交番横の大寒桜です。森山直太郎さん歌う「さくら」をなぜか口ずさんでしまいませんか。春の光のやわらかさを求めて日盲社協レッツゴー事業所のガイドヘルパーと散歩しませんか。

 写真:渋谷の待ち合わせ場所で有名なのはハチ公前ですが、宮益坂に出て東に向かいます(原宿方面)。
1本路地に入ると渋谷川に蓋をしてできた遊歩道のキャッツストリートがあり、アウトドアのお店やファッション雑誌に掲載されているテナントが並んでいます。疲れたらカフェへどうぞ。どのお店も機能性より外観重視で、お店の中でカラフルなシャツやニットベストがあなたを待っていますよ。

●本誌は、埼玉県民共済生活協同組合の助成により作成したものです。

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